※販売店限定
蔵元:『高清水』『丑三つ迄』秋田酒類製造
度数:16度
使用米:秋田酒こまち
精米歩合:60%
日本酒度:+1.0
酸度:2.0
アミノ酸度:1.5
使用酵母 :協会601
六号使いとはこう云う事さ、丑三つ黒です。
穀類、乳酸、エステル系の穏やか控えめな香り立ち、
口当たりは比較的軽やかで、
奥行のある甘旨がとろりとふくらみます。
喉の通りは印象的で後味に余韻があります。
生酒ver.はレトロ酵母のモダン表現的でしたが、
火入貯蔵を経て生酛感が増してきました。
冷だと未だフラワリーな風合いですが、
実に燗映え致します。
《きょうかい6号酵母》とは、
流石に昭和一桁の発見当初からすれば変異が著しいですが、
醸造協会で培養頒布が途絶えること無く続いている中では最古の酵母です。
『新政』≪佐藤卯兵衛≫の下で、
杜氏を務めていた≪鶴田百治≫が、
≪花岡正庸≫の指導の基に立てた酒母から、
≪小穴富司雄≫が発見し、
『太平山』≪小玉友吉≫の下、
製造担当であった≪小玉確治≫が、
≪小穴富司雄≫の指導を受けながら出品酒を造り、
品評会で全国一位(5169品中)を獲得し、
その翌年から協会6号酵母として全国頒布されるに至りました。
そして、
6号酵母を現在に至るまで一途に使い続けてきた蔵が、
6号酵母の酒母を現場で醸した≪鶴田百治≫を初代杜氏に迎えた
『高清水』です。
今はメディアにノって6号が寵児な扱いを受けたりもしますが、
時勢に流されず、「ウチの水にあう」と今も昔も6号を使い続けました。
新政が発見、太平山が昇華、高清水が継承した酵母であり、
新政が新たにブランディングをした事で、
当たり前だった事を改めて発信できるようになりました。
一応、『高清水』には、
普通酒メインの「本社蔵」と
特名酒メインの「御所野蔵」とがあり、
6号は普通酒に使われてきた為、
『丑三つ迄』を醸す「御所野蔵」の≪加藤杜氏≫は
かなり久しぶりに使ったとの事、
久方前と比べて6号の性格もかなり変わっていたとの事で、
昔取った杵柄に新たに挑む方が近いかもしれません。